選び方・比較

倉庫委託のパレット管理で確認すること|受渡し記録の整え方

依
依田尚人

著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表

8分
目次

パレット管理は、貨物の数量とパレットの数量を別々に記録するところから始まります。 受渡し時点、識別方法、状態確認を一つの流れで整理しましょう。

「ケース数は合っているのにパレットの記録が残っていない」「返却の話をいつ確認すればよいか分からない」という悩みは、記録の単位が混ざると起こりやすくなります。

この記事では、パレットを使う入出庫で、依頼側と現場が照合しやすい記録を整える方法を説明します。

本記事で分かること

  • 貨物数量とパレット数量を分ける理由
  • 受渡しの時点を記録する方法
  • 識別と状態確認を台帳に残す手順

結論:パレット管理を整える順番(早見表)

パレット管理とは、パレットと積載貨物の状態を受渡しの記録に対応付けて確認することです。

確認する場面分けて記録する項目照合の相手
入庫前貨物数・パレット数依頼一覧
受渡し時時刻・識別・状態入出庫伝票
保管中保管場所・移動棚札・台帳
出庫後回収条件・差異連絡履歴

国土交通省は、標準仕様パレットの利用、規格の違い、循環や回収、契約・記録の整備に関する情報を示しています(国土交通省「標準仕様パレットの利用促進」、2026年10月15日確認)。パレットの規格や運用は貨物条件によって異なるため、共通の名称だけで受渡し条件を決めないことが重要です。

荷姿を依頼書へ反映する方法は、倉庫委託のRFPの書き方も参考になります。

パレットと貨物を別単位で記録する

パレットを使う業務では、貨物そのものの数量と、積載に使うパレットの枚数を区別することが基本になります。両方が合っているかを確認するには、どの時点の数量なのか、どの荷姿を数えたのかも一緒に残す必要があります。数量だけを口頭で伝えると、ケース数とパレット数を取り違えるおそれがあります。

記録の様式は、入庫、保管中の移動、出庫、回収の各場面で同じ識別子を使えるようにします。表には、貨物コード、荷姿、パレットの種類、枚数、状態、確認者、確認時刻を置きます。識別情報が読み取れない場合にどの資料で確認するかも、あらかじめ決めておくと現場の判断が止まりにくくなります。

パレットの扱いは貨物の移動とともに変わるため、記録を一度作ったままにせず、受渡しのたびに照合します。差異が見つかったときは、数量、識別、状態のどこに差があるかを切り分け、連絡した相手と次の確認者を残します。こうした履歴があれば、後の照会で異なる時点の記録を混同せずに済みます。

貨物数量とパレット数量を分ける

ケース数や製品数と、使っているパレットの枚数は別の項目です。入庫一覧には、貨物の数量欄とパレットの数量欄を分けて設けます。混載がある場合は、どのケースがどのパレットに積まれているかを追えるよう、パレットごとの行に分けると照合しやすくなります。

ケース数とパレット数を分けて記録する図
ケース数とパレット数を分けて記録する図

数量の差異が見つかったときも、貨物の差異なのかパレットの差異なのかを切り分けて確認します。単位が違うものを一つの合計欄に入れないことが、原因の確認を早めます。

受渡しの時点を明確にする

パレットの責任範囲を考える際は、いつの時点で受渡しとして記録するかを関係者でそろえます。バースへの到着、荷下ろし完了、検品完了、棚入れ完了では、同じ入庫でも状態が異なります。入出庫伝票には、時点を表す欄と確認者の欄を置きます。

バースでパレットの受渡し時点を確認する図
バースでパレットの受渡し時点を確認する図

予定と実績を混ぜないよう、予定の時刻と確認した時刻を別に残します。手作業で訂正するときは、更新者と更新理由も記載すると履歴を追いやすくなります。

種類と識別方法をそろえる

同じ大きさに見えるパレットでも、種類や識別の方法が異なる場合があります。台帳には、種類、識別子、積載する貨物のコード、確認日を記録します。識別にラベルやバーコードを使う場合は、読取りができないときの確認方法も決めておきます。

パレットの識別札と棚札をそろえる図
パレットの識別札と棚札をそろえる図

識別情報は、保管場所の棚札と入出庫伝票で同じ表現にします。現場だけの略称を使う場合も、依頼側の一覧に対応表を置くと担当交代時に迷いません。

状態の確認項目を決める

受渡し前後には、パレットの破損、汚れ、荷崩れ、荷札の状態などを確認する項目を用意します。状態確認は、問題を探すためだけでなく、後で同じ状態を再現して説明できるようにするための記録です。写真を残す運用なら、撮影時刻と識別子を台帳に結び付けます。

荷姿とパレットの状態を検品表で確認する図
荷姿とパレットの状態を検品表で確認する図

確認できない項目があれば、未確認と理由を残します。空欄では判断の漏れか意図した保留かが分からないため、次に確認する人を指定しておくとよいでしょう。

回収条件を事前に確認する

出庫後にパレットを回収する予定があるなら、回収の場所、時期、受渡し方法、連絡先を依頼条件に含めます。回収の話だけを口頭で済ませず、出庫伝票と対応する台帳に記します。貨物の引渡しとパレットの取扱いが別の流れになる場合も、相互に参照できる番号を付けます。

フォークリフトと回収記録を対応付ける図
フォークリフトと回収記録を対応付ける図

倉庫委託の入荷予約を整える手順で車両と到着条件をそろえておくと、受渡しの記録と結び付けやすくなります。

差異が出たときの連絡先を決める

枚数、識別、状態に差異が出た場合は、誰が最初に確認し、誰へ連絡するかを台帳に記載します。現場判断、貨物担当、契約担当を同じ連絡先にしないことで、必要な確認を順番に進められます。連絡履歴には、差異の内容、確認した記録、次の対応者を残します。

3PL契約で責任分担を整理する考え方も参照し、役割ごとの連絡先を事前に整理しましょう。

実務で使う管理表には、パレットの受渡し番号と貨物の識別番号を両方入れると便利です。入庫時に発行された番号、保管場所の棚札、出庫伝票に書く番号を対応付ければ、どの時点の記録を見ればよいかが分かります。パレットの状態に関する確認も、自由記載だけにせず、確認日、確認者、写真や検品表の参照先を残します。

複数の部署や拠点が関わるときは、同じ「枚数」という言葉でも意味する対象が違わないかを確認します。空のパレット、積載済みのパレット、返却予定のパレットを別々に扱い、集計の対象を注記します。確認の結果に差異がなければその事実を、差異があれば確認中の担当を記録することで、次の受渡し前に必要な作業を把握できます。

管理表を作成した後は、入庫と出庫の担当者が同じ項目を確認できるかを試します。入庫で付けた識別番号を出庫側が伝票から追えない場合は、番号の記載場所や対応表を見直します。保管場所が移動したときも、旧い棚札の情報と新しい棚札の情報が対応しているかを記録すると、確認の断絶を防げます。

回収や返却に関する情報は、貨物の出庫情報と別の列に置き、予定と実績を分けます。出庫した貨物だけを見てパレットの状況を判断せず、残っている枚数、受渡し予定、確認先を照合します。月ごとや便ごとの確認日を決め、差異がない場合にも確認済みの記録を残すと、次の照会の起点になります。

パレットの記録は、在庫表だけで完結させず、受渡し伝票や検品表と照合します。同じ識別番号が複数の資料で追える状態にしておけば、保管中の移動や出庫後の回収について質問が出たときも、確認する資料を選びやすくなります。

管理表の更新後には、入庫担当と出庫担当が同じ表を参照できるかを確認します。片方だけが別の一覧を使う状態では、識別や数量の差異が後まで残りやすくなります。

数量の確認に使った資料と確認日を記録し、差異があった場合は次の照会先を同じ行に残します。

まとめ

パレット管理では、貨物数量とパレット数量を分け、受渡し時点、識別、状態、回収条件を対応付けて記録します。荷姿と台帳の表現をそろえ、差異の連絡先も事前に決めておきましょう。

受渡し前の情報整理には、倉庫委託の入荷予約を整える手順が役立ちます。

よくある質問

Q. パレットの枚数と貨物数量は同じ欄に書いてよいですか
いいえ、貨物数量とパレット数量は単位が異なるため、入庫一覧と台帳では別の欄に記録して照合します。
Q. パレットの状態はいつ確認しますか
状態は、受渡し前後の確認時点を決め、破損、荷崩れ、荷札などの項目を検品表に沿って記録します。
Q. 回収の予定はどこに残しますか
回収の予定は、場所、時期、受渡し方法、連絡先を出庫伝票と対応する台帳に残し、貨物の記録と参照できるようにします。

出典

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