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倉庫委託のRFPの書き方|荷姿・温度帯・作業条件をそろえる

著者・監修: 依田尚人YDAIコンサルティング株式会社 代表

倉庫委託のRFPの書き方|荷姿・温度帯・作業条件をそろえる

倉庫委託のRFPは、貨物・保管・作業・輸配送の条件を分けてそろえると、見積の前提を比較しやすくなります。RFPは提案依頼のための条件整理であり、先に条件の粒度をそろえるほど、費目や対応範囲の違いを確認しやすくなります。

委託する範囲と未確定の条件を分け、比較の土台をつくることが目的です。申請書類の作成や見積取得を代理するものではなく、荷主側で確認したい情報を整理する一般的な進め方として扱います。

倉庫委託のRFPとは【全体フローと要件表】

倉庫委託のRFPでは、貨物情報、保管条件、付帯作業、輸配送条件、比較条件を一つの要件表に整理します。依頼先ごとに質問を変えるのではなく、共通項目と個別条件を分けることで、回答の差が何によるものかを確認できます。

RFPで整理する貨物・保管・作業・輸配送・比較などの条件を並べた図解
RFPで整理する貨物・保管・作業・輸配送・比較などの条件を並べた図解

RFPで最初にそろえる比較の前提

最初に決めるのは、どの拠点の、どの貨物を、どこまで委託するかです。保管だけを対象にするのか、入出庫、検品、流通加工、輸配送まで含めるのかを明示します。要件表は、次の五つに分けると抜け漏れを確認しやすくなります。

区分主な確認項目
貨物情報品名、荷姿、数量、寸法、重量
保管条件保管期間、温度帯、危険物の情報、保管場所の条件
付帯作業入出庫、検品、ラベル貼付、セット組み、梱包
輸配送条件受渡し先、納品頻度、車両条件、時間帯
比較条件課金単位、最低料金、作業範囲、前提条件

確定している条件と、確認が必要な条件を同じ欄に混ぜないことも重要です。依頼の時点で不明な事項は、想定値として扱うのか、確認後に条件を更新するのかを分けて記載します。

ステップ別にRFPを作成する

RFPは、貨物の状態から順に整理し、その後に保管環境、作業、輸配送へ進めます。一度に全項目を埋めようとせず、確定した事実と確認中の事項を分けることが、回答条件をそろえる近道です。

ステップ1: 荷姿・数量・保管期間を整理する

荷姿は段ボール、パレット、ケース、ドラム缶など、入庫時と出庫時の状態が分かる形で記載します。数量は平均だけでなく、最大在庫、入出庫の頻度、季節変動の有無を区別します。保管期間は短期か継続かを示し、在庫の増減が予想される時期があれば、別欄に分けます。

荷姿と数量と保管期間を整理するパレットと段ボール
荷姿と数量と保管期間を整理するパレットと段ボール

同じ個数でも、パレット積みかケース単位かで必要な保管場所や荷役の前提は変わります。貨物の写真や寸法表を共有できる場合も、要件表には判断に必要な荷姿を文字で残しておくと、確認する項目がぶれにくくなります。

保管期間では、通常時の在庫と繁忙期の最大在庫を分けます。拠点が複数ある場合は、共通する貨物情報と拠点固有の受渡し条件を別の欄に置くと、数量の前提を取り違えにくくなります。

ステップ2: 温度帯・危険物・重量物の条件を整理する

温度管理が必要な貨物は、必要な温度帯、許容できる変動、検品時や荷役時の取扱いを分けて記載します。危険物に該当する可能性がある貨物は、品名、類別、最大数量、指定数量に対する倍数、混載の有無、保管場所の条件を整理します。重量物は、重量、寸法、荷役方法、床荷重、クレーンの要否を確認項目にします。

温度帯と危険物と重量物の条件を分けるドラム缶と温度計
温度帯と危険物と重量物の条件を分けるドラム缶と温度計

個別の許可や施設への適合は、要件表だけで判断せず、所轄消防本部などへの確認が必要です。貨物の特性が確定していない場合は、推定値を確定値として混在させず、確認中の条件として分けます。

温度帯、危険物、重量物の条件は、一つの総称で済ませず、貨物ごとに対応させます。委託先に伝える数量、保管場所、荷役方法が一致していれば、確認先に質問する内容も明確になります。

ステップ3: 流通加工・入出庫・輸配送を整理する

流通加工は、ラベル貼付、セット組み、検品、梱包などを、完成形と作業単位が分かるように書きます。入出庫は、受付時間、荷姿、車両の種類、予約の要否、繁忙日の有無を整理します。輸配送を含める場合は、納品先、納品頻度、納品時間帯、受渡し方法を保管条件と混ぜずに別欄にします。

検品台とトラックバースで流通加工と入出庫を整理する図
検品台とトラックバースで流通加工と入出庫を整理する図

たとえば、検品が数量確認だけなのか、外観確認やラベル照合まで含むのかで必要な工程は異なります。作業の発生条件、基準となる単位、例外時の扱いを記載すると、保管料以外の費目も確認しやすくなります。

輸配送では、倉庫側で完了する受渡しと、配送先まで含む役務を分けます。出荷締切、車両の待機場所、返品時の扱いを整理しておくと、作業と輸配送の責任分担を照らしやすくなります。

比較できる見積にするための確認点

見積の比較では、金額だけでなく、単位、対象期間、含まれる作業、発生条件を同じ欄で照らします。回答ごとの違いを無理に一つの数字へ換算せず、前提が異なるものを分けて残すことが大切です。

単位と作業範囲を同じ条件にする

課金単位と作業範囲をそろえて比較します。保管料の単位、入出庫の単位、検品や加工の単位を費目ごとに確認します。保管期間の区切り、最低料金、保管場所の使い方、荷役に含まれる範囲も比較条件に含めます。

課金単位と作業範囲を照らすパレットラックの比較表
課金単位と作業範囲を照らすパレットラックの比較表

条件がそろって初めて、同じ費目同士を比較できます。保管料だけでなく、入出庫、検品、加工、輸配送の対象と発生条件も対応させ、単位や対象期間が違うときは違いが分かる欄を設けます。

未確定の条件を分けて記載する

在庫量、開始時期、納品先、加工内容などが未確定なら、確定条件と同じ欄に混ぜません。未確定の項目ごとに、仮定した場合の回答か、確認後に再見積となるかを区別します。比較表では「未確定」とした理由と確認予定を残すと、後から見積の前提を追いやすくなります。

条件が変わったときは、どの費目、作業、輸配送に影響するかを同じ資料で確認します。依頼先に異なる前提を伝えず、共通の要件表を更新することで、変更箇所を比較しやすくなります。

自社と委託先の分担

委託条件を定める責任と、保管・荷役の可否を確認する責任は同じではありません。自社が貨物と業務の前提を明らかにし、委託先には受入条件や対応範囲を確認する形に分けます。

自社が決める条件と委託先に確認する事項

自社側では、貨物情報、取扱数量、希望する保管期間、必要な作業、輸配送の範囲を整理します。委託先には、受け入れられる荷姿、対応できる温度帯や作業、荷役方法、課金単位、例外時の扱いを確認します。

委託範囲そのものを見直す場合は、物流2024年問題と荷主の委託見直し3PLと倉庫委託の違いも、前提を整理する参考になります。自社が決める条件と、委託先が回答する条件を分けることで、確認の責任分担を明確にできます。

よくある質問

RFPに危険物の情報はどこまで書きますか

品名、類別、最大数量、混載の有無、保管場所の条件を分けて記載します。個別の許可可否は、所轄消防本部等への確認が必要です。

数量は通常時だけでなく、最大となる時点と保管場所ごとの数量を分けます。温度帯や荷役方法など、保管の前提に関わる情報も、確定しているものと確認中のものを区別します。

見積の比較条件は何をそろえますか

課金単位、保管期間、入出庫の頻度、荷姿、付帯作業、輸配送の範囲をそろえます。一部だけ条件が異なる場合は、同じ表で比較せず別条件として示します。

保管料だけでなく、入出庫、検品、加工、輸配送の対象と発生条件も対応させます。単位や対象期間が違うときは、金額を無理に一つの基準へ置き換えず、違いが分かる欄を設けます。

複数拠点の条件はどう整理しますか

拠点ごとに貨物、温度帯、数量、受渡し条件を分け、全拠点に共通する作業条件を別欄にまとめます。地域、受渡し先、稼働時間など拠点固有の条件もそれぞれ記録します。

検品の基準やラベル貼付など全拠点に共通する作業は共通欄に置きます。共通項目と個別項目を分けることで、同じ説明を繰り返さずに比較の前提を保てます。

まとめ

倉庫委託のRFPは、貨物、保管、作業、輸配送、比較条件を順に分けて整理すると、回答の前提をそろえやすくなります。確定した条件と未確定の条件を分け、費目と作業範囲を同じ条件で確認することが重要です。

更新した要件表は、変更の理由と確認した相手を分けて記録します。次の比較でも同じ項目を使うことで、条件の差と対応範囲の違いを追いやすくなります。拠点や貨物が増えた場合も、共通条件と個別条件を分けて更新します。

倉庫委託に関する基礎情報は実務ガイドにまとめています。情報の収録基準と運営方針もあわせてご覧ください。

出典

著者・監修

依田尚人YDAIコンサルティング株式会社 代表

依田尚人は YDAIコンサルティング株式会社 代表。倉庫業法の登録制度と物流委託の要件整理・費目構造について、国土交通省の登録倉庫事業者一覧等の公開情報を一次ソースまで確認する工程を標準として、本サイトの記事を設計・監修しています。

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