倉庫の種類は10種類|貨物と確認すべき基準を整理
著者・監修: 依田尚人(YDAIコンサルティング株式会社 代表)
倉庫の種類は10種類|貨物と確認すべき基準を整理
倉庫業法施行規則上の倉庫は10種類に区分され、保管できる貨物と施設設備の基準は種類によって異なります。委託先を確認するときは、倉庫の名称だけで決めず、貨物の類別、荷姿、温度、危険物への該当、荷役方法を分けて照らします。
本記事では、2025年6月1日施行の倉庫業法施行規則と、倉庫業法第三条の登録の基準等に関する告示を2026年9月5日に確認した範囲を整理します。個別の貨物が保管基準に適合するかは、貨物条件と対象施設を示して委託先や関係窓口に確認します。
倉庫の種類は10種類【種類と貨物の早見表】
倉庫業法施行規則第3条は、一類倉庫、二類倉庫、三類倉庫、野積倉庫、水面倉庫、貯蔵槽倉庫、危険品倉庫、冷蔵倉庫、トランクルーム、特別の倉庫の10種類を定めています。種類ごとに保管物品の類別と施設設備の基準が異なるため、候補となる建物の呼び方だけで貨物の取扱いを判断しません。

| 倉庫の種類 | 主に照らす貨物・状態 | 委託時に分ける確認項目 |
|---|---|---|
| 一類・二類・三類 | 物品の類別、湿気や水濡れへの条件 | 荷姿、保管場所、施設設備 |
| 野積・水面・貯蔵槽 | 屋外、水面、ばら物や液体など | 収納方法、容器、保管形態 |
| 危険品・冷蔵 | 危険物、温度管理が必要な貨物 | 消防上の要件、温度帯、数量 |
| トランクルーム・特別 | 利用目的や特別な物品の保管 | 寄託の内容、個別の施設条件 |
一類・二類・三類と野積・水面・貯蔵槽
一類倉庫は、倉庫業法施行規則第3条の4の別表で定める第一類から第六類の物品を保管でき、第七類物品は除かれます。二類、三類、野積、水面、貯蔵槽の各倉庫も、保管物品の類別に応じて区分されるため、貨物の名称と実際の状態を照らします。
たとえば、屋外で保管できるか、水面で保管できるか、容器に入れない粉状・液状の物品かによって確認する種類は変わります。貨物の品名だけでなく、容器、荷姿、保管中の状態、屋内外の別を整理して委託先へ確認します。
危険品・冷蔵・トランクルーム・特別の倉庫
危険品倉庫は危険品を保管するための倉庫業法上の区分であり、指定数量以上の危険物を保管する消防法上の施設要件とは別です。冷蔵倉庫は冷蔵室を常時10℃以下に保つ施設設備基準が、倉庫業法施行規則第3条の11に定められています。
トランクルームや特別の倉庫も、用途や保管物品に応じて区分されます。委託する貨物については、必要な温度、保管期間、施錠や入出庫の条件、荷役方法を分け、分類名だけから受入可否を決めないことが大切です。
分類は、貨物の包装、容器、保管時の状態を確かめるための入口として使います。候補先へ確認するときは、倉庫の種類、貨物の類別、施設の条件、委託する作業の四つを同じ確認表に置きます。

貨物に応じて確認する基準
貨物に合う倉庫を考える際は、物品の類別と施設設備の基準を別々に確認します。倉庫の種類は確認の入口であり、個別の貨物の取扱条件を示す情報と一緒に照らす必要があります。
物品の類別と倉庫の種類を照らす
貨物を一覧にするときは、品名、荷姿、容器、寸法、重量、温度帯、保管期間、危険物に該当する可能性を分けます。同じ品名でも、容器入りか、ばら物か、温度管理が必要かによって、確認する基準と荷役方法が変わるためです。
委託範囲に危険物や温度管理が必要な貨物が含まれる場合は、一般貨物の条件と混ぜず、別の行に置きます。貨物と委託範囲を整理する考え方は3PLと倉庫委託の違いも参照してください。
防火・防水・防湿などの施設設備基準を確認する
倉庫業法第三条の登録の基準等に関する告示では、倉庫の種類ごとに防火、防水、防湿、遮熱、耐火などの施設設備基準が定められています。たとえば一類倉庫の床は、同告示第3条で1平方メートルあたり3,900ニュートン以上の積載荷重に耐える強度が必要です。
同じ告示第3条では、軸組み、外壁、荷ずりは1平方メートルあたり2,500ニュートン以上の荷重に耐える強度が定められています。数値だけを一般的な保管能力として扱わず、貨物の荷姿、接地面積、積み方、荷役方法を示して対象の施設へ確認します。
防火、防水、防湿などの基準も、どの種類の倉庫にどの貨物を保管するかによって確認する項目が変わります。貨物の変更や保管場所の変更がある場合は、以前に確認した施設条件をそのまま使わず、変更後の条件で確認します。

特殊貨物を委託するときの確認順
特殊な条件がある貨物は、倉庫業法上の種類の確認に加え、別の制度上の要件を確認します。確認する順番を、貨物情報、施設条件、関係窓口への照会に分けると、同じ内容を重ねて質問しにくくなります。
危険物は消防上の要件も別に確認する
危険品倉庫であることは、消防法上の危険物施設の許可を確認したことと同じではありません。指定数量以上の危険物を保管する場合は、消防法第11条の許可と完成検査の要件を、所轄消防本部に別に確認します。
品名、類別、最大数量、混載、保管場所を伝え、指定数量未満であっても所在地の火災予防条例を確認します。危険物の二つの制度を分ける方法は危険物倉庫とはに整理しています。
温度管理が必要な貨物は冷蔵倉庫の条件を確認する
温度管理が必要な貨物では、必要な保管温度、許容できる変動、荷役時の取扱い、温度を確認する方法を整理します。冷蔵倉庫の施設設備基準が常時10℃以下であることと、貨物に必要な保管温度は同じ意味ではありません。
冷凍・冷蔵の区分、入出庫時の温度管理、保管期間中の確認方法を委託先に確認します。営業として寄託を受ける倉庫かを整理する際は営業倉庫と自家倉庫の違いも参照してください。

施設基準と措置の流れ
倉庫業の登録後に施設設備などの基準に関する確認が必要になった場合、法令上の措置には段階があります。個別の施設にどの措置が関係するかは、公開情報だけで判断せず、所管の窓口で確認します。
改善命令から罰則までの順序
倉庫業法第27条には報告徴収と立入検査が定められ、第12条第2項と第15条には改善命令が定められています。必要な改善が行われない場合には、同法第21条に基づく六か月以内の事業停止や登録取消しの手順があり、さらに第29条第2項の罰則が関係する場合があります。
この手順を個別の事業者の状況へ直ちに当てはめず、確認された事実、所管の判断、法令上の措置を分けて理解します。委託先の確認では、公開情報から不利益な状況を推測するのではなく、貨物と施設の条件を確認することに集中します。

よくある質問
一類倉庫は何を保管できますか
一類倉庫は、倉庫業法施行規則第3条の4の別表で定める第一類から第六類の物品を保管できます。第七類物品は除かれ、確認日は2026年9月5日です。
実際の貨物がどの類別に当たるかは、品名だけでなく荷姿や状態を確認します。保管する数量、屋内外の別、温度や湿気への条件も、個別の受入条件として委託先に確認します。
危険品倉庫なら危険物をすべて保管できますか
いいえ。危険品倉庫であることと、消防法上の危険物施設の許可を受けていることは別の要件です。指定数量以上を保管する場合は、消防法第11条の許可も確認します。
指定数量未満についても、市町村条例で基準が定められます。品名、類別、最大数量、混載、保管場所を分け、所轄消防本部へ確認する情報を整理します。
冷蔵倉庫の温度は何度ですか
冷蔵倉庫の冷蔵室は、倉庫業法施行規則第3条の11により常時10℃以下に保たれることが施設設備基準として定められています。確認日は2026年9月5日です。
貨物に必要な温度が10℃以下であるとは、この基準だけから決まりません。品目ごとの保管条件、荷役時の取扱い、温度表示の方法を、委託先の運用と合わせて確認します。
まとめ
倉庫の10種類は、保管できる物品の類別と施設設備の基準を確認する入口です。貨物の品名、荷姿、温度、危険物への該当、数量、荷役方法を分け、倉庫業法上の種類と別制度上の要件を照らします。
確認記録には、対象とした倉庫の所在地、貨物の条件、確認した日、確認先を残します。確認できていない項目は推測で補わず、委託条件が固まった段階で必要な窓口へ改めて確認します。
確認の対象とした条件を分けて残すことで、貨物や作業が変わったときにも見直す範囲を追えます。
倉庫利用の基礎は実務ガイドにまとめています。情報の収録基準と運営方針もあわせてご覧ください。
出典
- 倉庫業法施行規則(昭和三十一年運輸省令第五十九号)(laws.e-gov.go.jp)
- 倉庫業法第三条の登録の基準等に関する告示(平成十四年国土交通省告示第四十三号)(mlit.go.jp)
著者・監修
依田尚人YDAIコンサルティング株式会社 代表
依田尚人は YDAIコンサルティング株式会社 代表。倉庫業法の登録制度と物流委託の要件整理・費目構造について、国土交通省の登録倉庫事業者一覧等の公開情報を一次ソースまで確認する工程を標準として、本サイトの記事を設計・監修しています。
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